2022年4月1日から「育児・介護休業法」が改正されます。
2022年10月からは「産後パパ育休(出生時育児休業)」という制度が新設されるなど、ついに公的に男性育休が推奨されるわけですが、実際には「取れない」「無理ゲー」の声も…
確かに実際に取得するとなると、会社内に波風が立ちそうですよね。
この記事では、男性育休が取りにくいという声や、男性育休のメリットデメリット、取得するためのコツを調べてみました。
- 男性が育休取得を諦める理由
- 男性育休のメリットデメリット
- 男性育休取得のコツ
男性育休は取れないし無理!?取得を諦めるリアルな理由
男性育休は実際のところ「取れない」「無理ゲー」という声が多いのです。
取得を諦める理由とリアルな声をまとめました。
男性育休を諦める主な理由
取得を諦める主な理由はこちらです。
男性育休を諦める理由5選
- 男性育休の前例がない
- 「育児は女性がするもの」という考え
- 育休取得希望を迷惑がられる
- 「出世は諦めろ」という上司
- 先輩パパの不安な情報
順に見ていきましょう。
男性育休の前例がない
そもそも会社に男性育休の前例がなく、とても取得できる雰囲気ではないというものです。
日本人は同調圧力が強いですからね…
この雰囲気の中で、取得しようと頑張れるパパはまだまだ少ないと思われます。
「育児は女性がするもの」という考え
新米パパの上司の世代と言えば、いまだに「育児は女性がするもの」という考えが多いようです。
日頃お世話になっている直属の上司に理解されない中の取得は、ハードルが高いですよね。
育休取得希望を迷惑がられる
男性育休の取得を推進していることをアピールしている会社もあります。
実に、理解がありそうな会社ですよね。
しかし、実際に育休取得希望を申し出ると嫌な顔をされたという声もあるのです。
「本当に取るのはどうかな…」とけん制されたとのこと。
「出世は諦めろ」という上司
育休取得希望を申し出ると、はっきりと「出世は諦めろ」「元のポジションに戻れると思うな」という上司もいるようです。
これは完全にアウトな上司。
パタハラという言葉もあります。
しかし、今後家族を養っていくことを考えると不安になってしまいますよね。
先輩パパの不安な情報
先立って勇気をもって育休を取得した先輩パパが、復帰後に部署移動させられたという事例も多くあります。
こんな不安な情報が多い中、なかなか取得に踏み切れないのも無理はないでしょう。
男性育休を諦めるリアルな声
実際に、取得を諦めるリアルな声を集めました。
中小企業は有給も取れないのが当たり前、病気で休職しようとすれば退職に追い込まれる事例も数多あるのに、男性育休なんて無理に決まってる…😩
大企業ですら男性が育休したら不当な扱いをされた話もTwitterで見たことがあるし…。 https://t.co/KAfwo3jWjG— hamusuke㌠ (@tomonasisan) September 30, 2020
中小企業では有給すら取れないという現状。
ここで男性育休など、到底考えられなさそうです。
うちの会社も育休1年も取れば居場所はないな。運良く復帰できても昇給、昇格はまず無理🙄
1年間の男性育休を取得した35歳「復帰後に居場所はないかもしれない」(BUSINESS INSIDER JAPAN) https://t.co/aXum5OPVlN
— 😳🐭ようへい👑🐼ゆるふわパウダーボーダー🏂🏂🏂 (@6rlARtibtOkJYPr) July 13, 2021
男性が育休を取れたとしても、復帰後に同じ条件で働くのは難しいのが現実のよう。。
ウチの会社は役職者が育休取ると降格処分される社員規約があるよ。あと女性育休も取得してる不在中は邪魔者扱いされるし男性育休取得なんてまだまだ無理だね。 https://t.co/yfMiDiUvBw
— ますす✩ (@reiji1004) August 26, 2021
降格処分されるなんて、ひどい話です。
女性でも育休を取得すると邪魔者扱いとは、大変悲しいですね。
旦那の職場、男性育休取らしてくれないのなんなん?明確に無理とは言われてないけど雰囲気的に無理感出すの何?💢前例がないとか、まずは有給からとか…めちゃくちゃイライラする😡
そもそも人がいないから休み取れないって…そこは会社側が何とかすることでしょー!!😭何か逃げ恥思い出した…
— かみかみ®︎🐣9m←40w6d🎀 (@kamikami622a) May 3, 2021
ママもパパの育休が取れないことに、イライラ。
穏やかに過ごしたい産後なのに、つらいですよね。
育児休業を断念したリアルな声から、悲痛な叫びが聞こえてきますね。
さて、
そんな現状を打開するために考えられたのが、2022年4月から改正される「育児・介護休業法」です。
これにより、企業側は育休希望者を拒否できなくなり、より一層、男性育休が取りやすくなることを狙っています。
少子化に歯止めがかからない今、なんとしても子供の数を増やす(=子育てしやすい社会にする)は喫緊の課題ですね。
「男性育休」があたりまえに取れる社会になってほしいです。
男性育休のメリット・デメリット
では、
男性が育休を取得できた場合のメリットとデメリットはどんなことがあるのでしょうか。
メリット
- 育児にたくさん関われる
- ママの負担が軽減される
- 今後の夫婦関係を良好に保てる
デメリット
- 給料が減る
- 復帰後の仕事に影響する
- ママの負担になる場合も
順に見ていきましょう。
男性育休のメリット
まずは、メリットからです。
育児にたくさん関われる
パパがたっぷりと時間をかけて育児ができる。
何をおいても、まずこれですよね。
育児は母親の仕事なんてのは、昭和のお話。
今しかないこの瞬間の子どもの成長を、パパも間近で見ることができます。
これは、パパの今後の人生観にも影響するほどのとても貴重な経験となるはずです。
何にも代えがたい、わが子との時間を味わうことができるのです。
ママの負担が軽減される
パパが育児に多く関わることで、必然的にママの負担は減ります。
乳児は昼夜関係なく、授乳やおむつ替え、その他にも実に多くのお世話が必要。
それに加えて、今まで通りの家事もあります。
ママは産後自分の体も元に戻っていないのに、まとまった睡眠時間も取れず、体も心もくたくた。
こんな状態で家事育児をすべて一人で行うのは、もうめちゃくちゃに大変なんです!
パパがいてくれると、ママの体はもちろん精神的な負担も随分と軽減されるでしょう。
今後の夫婦関係を良好に保てる
子どもが産まれてからのママに対するパパの態度が、今後の夫婦関係に大きく影響するというのは有名なお話。
一回おむつを替えただけでドヤ顔されたら…
日中子どもと一緒に寝てると思われたら…
育児なんて楽勝と言われたら…
パパは、もう明日はないと思わないといけません。
夫婦一緒に育児の大変さと楽しさを味わい、お互いの苦労をねぎらい、感謝し合うことができたら、こんなにいいことはありませんよね。
夫婦関係はより固く結ばれるでしょう。
男性育休のデメリット
次は、デメリットを考えてみましょう。
デメッリトがまだまだ多いのも現実かと思います。
給料が減る
まず、お給料は減ります。
とはいえ、
休んでいる間は「育児休業給付金」(休業開始時賃金の67%、休業開始から6か月経過後は50%)が支給されます。
しかも、この間は、所得税も社会保険料も免除されます。
そのため、手取り賃金で比べる休業前の最大約8割程度になるようですね。
減り幅は思ったよりも少ないとはいえ、ママが妊娠にともない退職や産休を取っていることを考えると、世帯年収はグッとさがります。
ダイレクトに生活に関わるところなので、どれくらい減るのか計算しておきましょう。
復帰後の仕事に影響する
復帰後に部署移動させられたなど、不当な扱いを受けたという例も残念ながらあります。
また同じ部署であっても、迷惑をかけたという後ろめたさを感じながら復帰後の仕事をしなければならないパパもいるようです。
休んでいる間に会社の情報がないと、復帰後に勝手がわからないということもあります。
ママの負担になる場合も
パパが育休を取得したのにママの負担になるという、一番残念なパターンです。
何をしたらいいか分からずおろおろしてしまったり、結局ママに育児を任せてしまったり。
パパがいることで、産後のナイーブなママは余計にイライラしてしまうのです。
こうなることはある程度予測しておいて、夫婦でぜひとも乗り越えてほしいところです。
※文末に、厚労省の公式情報URLをご紹介してます。
男性育休を取るためのコツや準備
まだハードルが多い男性育休ですが、普通に取れる世の中が目指すべきところです。
ここでは、取るためのコツや準備を考えました。
しっかりと作戦を練って、後悔のないようにしたいですよね。
男性育休を取得するコツや準備5選
- 育休に関する情報収集
- ママとお互いの考えをすり合わせておく
- 社内での引継ぎ
- 育休中も会社と連絡をとる
- 転職
順に見ていきましょう。
育休に関する情報収集
とにかく情報を集めます。
新設された「産後パパ育休」の制度はもちろんもこと、社内規定や、先輩パパからの情報など、できる限り調べることが大切だと思います。
情報弱者ほど、損をすることになる可能性が高いからです。
情報を味方につけましょう。
その中で自分がどうしたいのか、どの範囲ならできるか、方向性が見えてくるはずです。
ママとお互いの考えをすり合わせておく
育休を取得したらどのような生活になるのか、ママとお互いの考えをよくすり合わせておきます。
ママもパパも未知の生活なので、イメージがわきにくいかもしれません。
それでも、家事育児に関してお互いの希望や役割を伝えてください。
パパがどのような方法でどのくらいの期間育休を取るのがいいのか、夫婦で望ましいスタイルが見えてくると思いますよ。
社内での引継ぎ
実際に育休を取れることになったら、引継ぎをしっかりとします。
余裕をもって引き継げるように、早めに準備しましょう。
社内の人にできれば一人ずつ声をかけます。
「ご迷惑おかけしますが、よろしくお願いします。」と一言伝えるだけで、育休に入ってもお互いに気持ちよく過ごせますし、復帰後もスムーズになるはずです。
育休は迷惑なことではないのですが、ちょっとした気遣いは良好な人間関係において大切ですよね。
育休中も会社と連絡をとる
これも運よく育休をスタートできた場合です。
育休中も会社とは連絡をとりましょう。
最低限、事務連絡だけでもオッケーだと思います。
社内で個人的に連絡を取れる人がいたら、社内の様子をたまに聞いておくと安心。
これも、スムーズに復帰後の業務に対応するためです。
転職
どうしても男性育休が取れない場合は、転職もあります。
転職は簡単に決断できることではありませんが、子育ては育休期間が終わったら終わりではありません。
幼児期のその先にもまだまだ続いていく長い長いイベントですよね。
今後のワークライフバランスを考える重要な機会として考えてみるのもよいでしょう。
でも、転職の決断の前に、まずは制度を100%利用してみるのもありです。
せっかく法律が変わったのですから、勇気を振り絞って育休希望をだしてみましょう。
会社で育休を取った「伝説の一人目」になるのもいいかもしれません。
まとめ
今回は、男性育休が取りにくいという声や、男性育休のメリットデメリット、取得するためのコツについてお伝えしました。
2022年4月からの育児・介護休業法の改正にくわえ、10月からは「産後パパ育休」の制度が始まります。
各家庭に合った方法で、パパとママの希望が叶う形で利用できることを願っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。